猫になりたい

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東京島/桐野夏生



清子(四六歳)は、元銀行マンの夫の酔狂な世界一周クルーズの最中、暴風雨で流され無人島に流れ着く。
助けが来るあてもないまま、3か月が過ぎた頃、島に日本人の若者23人が漂着。与那国島の野生馬調査に雇われたフリーターたちで、きついバイトに嫌気がさして漁船で脱出を試みたところ、台風に遭って漂流。
その後、密航の途中に金銭のトラブルにより島に捨てられた10数人の中国人が加わる。

清子以外は全員が男。
求められ、争われ、清子は今までに味わったことのない女王様の気持ちを味わう。

救出の見込みはさっぱりない。

キオスクで時間潰しに購入。
設定がまず面白くて、「どうなるどうなる」と、あっという間に読めちゃった。

桐野夏生さんらしく、登場人物がやっぱり性格が悪くて、読んでて気分が悪くなること多し。

でも、あまりに突き放した描き方で、ところどころ、笑みが出る箇所がある。
清子初め、若者たちも何かすんごく人間的に小さい。

そして、無人島という極限の状況下で、普段の生活でなら内でとどめておけたのかもしれない人間臭いいやらしさが大放出、という感じなのである。
その突き抜けた描き方が、本当におかしくて面白いし、普通愛しようがないような登場人物たちを、愛してしまえる作品になっていて、そこも面白い。

映画化では46歳の巨体の清子を木村多江が演じ、狂人すれすれおバカで底意地の非常に悪いワタナベを窪塚洋介が演じる。予告を観ると、ちょっときれいに描き過ぎ?という気もしたけど、そりゃ、このまま映画にはできないか。

『グロテスク』は、その意地の悪い描き方に途中で気分が悪くなって、読むのを止めてしまったのだけど、今回はとことん突き抜けた意地悪さで、単純に面白かった。

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