猫になりたい

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ミュージック・ブレス・ユー!!/津村記久子



アザミは高校3年生。音楽が何より好きな彼女が送る一年間。
注意力散漫で、勉強も苦手。真っ赤な髪の毛、口にはカラフルな矯正器をはめて、耳には常にヘッドホン。
受験生でもあるアザミの頭の中は、でも、いつでも音楽のことばかりである。
「音楽について考えることは、自分の人生について考えることよりずっと大事」
彼女が知り合う同級生の男子は、アザミよりももっと激しく音楽(イギリスパンクかな?)に傾倒しているが、そんな彼が言う一言に、アザミは救われるような気になる。「それは全く間違っているのだが、、、」と心で思いながら。

ストーリーを書き起こそうとしても、特に大きな事件が起こるわけではないので難しい。
だけど、この小説、すごく良い。高校生ははるか昔に感じる自分だけど、他者とうまく関われないアザミが葛藤していくあれこれも思い当たる節はあるし、そして何より「好きなこと」との関わり方。

私は音楽ではなく映画が大好きな高校生だったけど、周りにそういう話をする友達はさっぱりいなかったし、心に秘めた趣味だった。物事への妙なオタクっぷりって奇妙がられそうな気がして、なかなかオープンに出来なかった。
今思えばなんてつまらない高校時代だったんだろう。
(今高校生だったら、そういう熱中ぶりをネットの世界で発散させていただろうな。)

でも大人になって思うのは、物事への異常なる興味や執着、熱中ぶりって、学生の時にしか生まれてこない感情ではないかな。
大人になると何だかそういう熱中って、そんなに膨れるほど持てなくなる、と私は感じる。
そういう熱中を持てる自分を、もっと大切にしとくべきだったように思う。隠したりせずに。

アザミのキャラクターが何より好きだし、彼女の少数の友達との関わり方、その友達のキャラクターも、そしてアザミの両親の彼女との関わり方も。
どれもとても素敵で妙に清々しい気持ちになる。

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