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パラドックス13/東野圭吾



3月13日午後1時13分13秒。その時から13秒間だけ時空に歪みが生じ、宇宙全体が13秒遅れる。

その時刻に一瞬にして人間は消え去った。
しかし十数人の人間だけが生き残り、わけがわからないまま、どうにか生き延びようとする物語。

「漂流教室」に設定がよく似ている。
最後の男女の出会いの場面。ドラマの「漂流教室」のラストシーンを思い出した。
あのドラマはまったよなー。すごい面白かった記憶が。。。もう一度観たくなった。

今生きている現実とは違う世界を生きるもう一人の自分。
東野さんの作品で、「パラレルワールド・ラブストーリー」というのがあって、これもそういった題材で描いていたけど、自分が別の世界で違った人生を生きている、ってことを妄想すると何だか現実のしんどいこととか悩み事がぱっと霧散するように思えるから不思議だ。

東野作品に当たり外れの多い私だけど、今回は中間位の面白さだった。
気になる点がいくつかある。
主人公たちが生き残った理由を考えれば、日本中にまだまだ沢山の生存者がいるはずなんだけど、何だか彼らは当たり前のように東京の中でのことしか考えていない。
まあ、それもしょうがない状況だったのかもしれないけど、なんとなくその辺のことがあっさりスルーされ過ぎている気が。

かなり過酷な状況に置かれる登場人物だけど、もっと人間の汚らしい部分が描かれてもいいはず。
そうなる前にストーリーは閉じられる。
汚らしい状況を読むのは辛いけど、それを描いて欲しかったようにも思え、何だか勿体無い気が。

なんにせよ、もう一度読み返せば、面白さは倍増するかもしれない。
読み返さないけど。

現実入門/穂村弘



歌人でありサラリーマンでもある穂村弘さん。
名前だけは知っていて、作品は一度も読んだことなかったけど、随分面白い人だということがこの本で判明。

読みながら何度もクスクスと笑ってしまった。
(決して大きな爆笑ではないんだけど、何だか微笑んでしまう文章が多いのだ)

42歳でいまだに一人暮らしの経験はなく、パラサイトシングルで、海外旅行に行ったこともない。
人生の経験値がとても低い、と自負している穂村さんが、光文社の美人編集者サクマさんの提案で、今までしたことのない普通のこと(献血や家探し、占いや合コン、はとバスツアーなど)をしてエッセーを書く企画を受ける。

しかし、あれれという感じで、穂村さんはサクマさんとブライダルフェアに出かけたり、二人で住む家を契約しに出かけたり、サクマさんのご両親に挨拶に出かけたり。

どうやらお二人はこの企画がもとで本当に結婚したらしく、確かに最初の段階から穂村さんがサクマさんに惹かれていくような描写はあり。

自分は普通の人が普通に生活していることからちょっと外れたところを生きているように感じている穂村さん。
私もそういった感情にシンクロしてしまう面はあるけれど、そういった自分をちゃかしながら、こういった素敵な文章に出来る才能ってのは羨ましい、と思える。
自分を笑える人こそ強い、と常日頃思っているけど、あぁ、自分もこう生きたいな、と思う。

まあ、なかなか難しいんだけど。

映画は映画だ


女たちは二度遊ぶ/吉田修一


三面記事小説/角田光代



新聞の三面記事にひっそりと載るような小さな事件。

でも当事者や周りの人間にとっては、それはもちろん重大な出来事なわけで。
これは、そんな、関係ない人間からすればすぐ忘れ去られてしまいそうな実際に起こった事件を基に、描かれた短編集。作者の頭の中でストーリーは考えられたもので、多分実際は違う点もままあると思われる。
(これって許可とか取ってるのかな?)

足立区で起きた住居の下に埋められていた女性教師の死体の事件。
20年前位に(確か)四国の方で起きた、中学生の妹が姉に刺し殺される事件。

どちらも自分の記憶に、なんとなく刻まれていた事件だったので、興味深く読んだ。
特に後者なんて、私自身が中学生の時に起きた事件だったので、異様にリアルに感じられた記憶がある。

そして、そのどちらも、姉妹の妙な感情がテーマとして描かれている。
一番近い女として、多かれ少なかれ、生まれてしまう劣等感や優越感。
女のそうした感情を描かせたらこの人に勝るものなし、と思えて仕方ない角田光代がそれを描いているので、これがもう、先を読まずにいられない面白さ、不愉快さ、なのである。

誰も殺人者や犯罪者と紙一重のところに生きていて、そこを踏み外した人々の姿はどこか哀れで、愛おしくもあり。
それは多分、金銭面での欲望ってのが、これらの事件では二の次の動機だから、なのかもしれない。

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